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東京家庭裁判所 昭和28年(家イ)391号 審判 1953年2月28日

国籍

アメリカ(ユタ州)

住所

神戸市○○町○○番地

申立人

メアリー・ピカツト(仮名)

国籍

アメリカ(ユタ州)

住所

東京都○○○○

相手方

ウイリアム・ピカツト(仮名)

右当事者間の離婚事件について当裁判所は、申立書及び一九五三年二月二十二日当裁判所の審判廷で行つた申立人並びに相手方の各陳述と証人プリツチヤーの陳述に基いて、本申立が夫の本国法である米国ユタ州離結法並びに日本民法によつて理由あるものと認め次の通り審判する。

主文

一、申立人は相手方と離婚する。

二、申立人と相手方との間の三人の子供であるジエームス・ピカツト、アンナ・ピカツト、ジヨン・ピカツト、の養育監護は申立人と相手方の共同責任とする。

(家事審判官 近藤綸二)

申立の趣旨

申立人と相手方とは離婚する事

事件の実情

私は○○○○○○○で一九四六年一月○○日結婚致しました。私達両人とも初婚であります。当時相手方は米陸軍に居りました。同年四月相手方は陸軍を去り、私が暮していましたカリフオルニアに行き二ケ月暮し相手方は家を見付けるため相手方の本籍地ユタに行きましたので、一ケ月後相手方の所に行きました。其後一九四八年一月相手方は再び陸軍に入り一九四九年一〇月日本に来ました。私は一九五〇年三月日本に来ました。私達はそれから○○区の○○○○ハイツ○○○○で暮しました。一九五二年相手方は米国に帰りましたが私は貿易をやつていましたので合意で日本に残りました。相手方は一九五三年一月○○日日本に帰つてきました。その間私は日本で京都及び神戸に貿易をしていました。私達は結婚以来当初から幸福でなく、相手方は常に私の行動に干渉して私の自由を束縛しました。たとえば私が笑つたり、話したり、歩いたりするのに一々抵言し、笑いすぎるとか、話の声が高いとか、私は小説を書きますが、激しい批判を繰返します。私がダンスをしても相手方は喜こびません。パーテイを開いても他の人とばかり話しています。平常私を愛していないと申して居ります。私はこのような態度のため精神的に非常に苦しめられています。夫の本国法ユタ法離婚原因第七cruelty causing great mental distressに相当しますので離婚を求めます。私達の間には三人の子供が居りますが、一年間に………子供を申立人、相手方交代で養護し、親権は共同行使したいと思います。離婚による慰籍料は請求しません。

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